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▼ フィリップ殿下の宗教攻撃

――フィリップ殿下がランベス宮殿で宗教家を招集。その目的は、ユダヤ・キリスト教を破壊し、人類の進歩をストップさせることであった。


●ジェノサイドに向けた、フィリップ殿下のカルト主義

 イギリスのフィリップ殿下は、最近「世界自然保護基金(WWF)」代表の座を退いたばかりである。WWFは30年以上前に発足し、ユダヤ・キリスト教と相いれない環境運動を展開してきた。フィリップ殿下は今回もまた、西洋ユダヤ・キリスト教の基本概念と対立する行動に出た。

 フィリップ殿下は、異教的であることを自称している。そして、彼はこの25年間、「新たな暗い時代」へと世界を動かしてきた。「暗い時代」とは、世界人口のほとんどが死ぬことを意味する。

 逆説的だが、その彼がウィンザー家の取り巻き連中から推薦され、ユダヤ・キリスト教ルネッサンスの「誤った考え方」を訂正する「聖なる権利」を与えられた。

 しかし、考えてみれば、彼の言う「誤った考え方」、つまりルネッサンスによって、14世紀の黒死病以降、科学技術が進歩し、人口が増大し、生活水準も上昇したのである。フィリップ殿下の目的は、現在の世界人口を40億ほど減らし、残った人口の95パーセントを奴隷化し、新しい封建王国を作ることである。


 フィリップ殿下は宗教・文化面で、マーティン・パーマーと協力している。フィリップ殿下/パーマーの関係は、昔のビクトリア女王/アクトン卿の関係と同じである。

 彼ら二人は基本的に、聖書の「創世記1:26-31」に書かれている考え方を否定している。

 聖書によれば、「人間は神の似姿として作られた」。それぞれの人間は「人種・民族」に関わりなく、理性という聖なる才能を与えられている。理性によって人間は動物と異なる。理性あればこそ、人間は重要な科学発明を行うことができたのであり、それは神が行った世界創造をより完全なものにするためであった。人間の科学発見は、人口密度が最初に急上昇したルネッサンス以降、集中して行われ始めた(エコロジストは、これについては虚偽に基づいた反対意見を出すだろう)。


 ところが、フィリップ殿下は、進歩というこの考え方を否定する。進歩という考え方は、唯一神を唱える三大宗教、つまり15世紀の「ルネッサンス黄金時代」を可能にしたキリスト教、イスラム教、そしてユダヤ教に共通して見られる。あるいは、同じ人間観・道徳観を持つ他宗教にも見られる。

 フィリップ殿下が神の創造を軽蔑していることは、彼が10年前、ドイツ報道機関DPAに述べた言葉からもうかがえる。
「もし私が生まれ変わるなら、私は強いウィルスとして生まれたいと思います。それは人口問題の解決に貢献するためです。」

 その2年前にも、彼は同じ内容の言葉を「もし私が動物なら」の序言で述べている。
 そう、フィリップ殿下/マーティン・パーマーの目的は、ジェノサイドに向けて、宗教から来る道徳障壁を、予め取り除いておくことなのである。


 フィリップ殿下/パーマーの狙いは、偉大な宗教に含まれている人道的な考え方を消滅させることである。彼らは人道主義に代えて、様々なグノーシス・サタン的カルトを導入しようとしている。

 そうしたカルトとしては、ジャイナ教、バハイ教、ダライ・ラマの仏教、道教などを挙げることができる。特に、チベット仏教は有害である。それは、ダライ・ラマが神秘思想に基づいて作り上げた社会構造が、ナチスのSSと酷似していることからも明らかである。

 フィリップ殿下/パーマーも、エコ・ファシストや文化政策を使って、こうした神秘思想を広めている。


●ランベス宮殿での経緯

 フィリップ殿下は98年2月17日、バッキンガム宮殿で基調演説を行った。

 ここには、世界の九つの宗教家が集まった。その中には、カトリック・プロテスタント教会の高位聖職者、ユダヤ教、イスラム教の代表者、バハイ教、ジャイナ教のスポークスマンが含まれていた。
 そして、世界銀行総裁ジェームズ・ウォルフェンソンの姿もあった。

 2月18〜19日、会議は舞台をバッキンガム宮殿からランベス宮殿、カンタベリー大司教の住居に移した。

 ランベス会議で、彼らは世界的「コンセンサス」を打ち立てることに同意した。それは、「新世界秩序」「環境限度」「地球に奉仕する人間」「小さいことは美しい」「質素さ」といった話題についてのコンセンサスである。


 約30億の人々が信仰している宗教の代表者を前にして、フィリップ殿下はバッキンガム宮殿で基調演説を行った。この基調演説はランベス会議の前置きであり、ランベス会議では「世界宗教と世界発展」というタイトルで議論が行われた。

 会議を準備した世界銀行の情報筋からは、バッキンガム会議の演説者には、カンタベリー大司教ジョージ・カレー、世界銀行のウォルフェンソンが含まれていた。

 バッキンガム宮殿は、フィリップ殿下の基調演説について公表を拒否している。他の王室関係者、特にチャールズ王子が会議に参加したかどうかについても「ノーコメント」としている。

 ウォルフェンソンの演説に関しては、速記者は次のように述べている。
「私は彼の話の要点を速記しただけで、彼は原稿なしで話していたようです。演説記録は公表できません。」

 しかし、この後のランベス宮殿で行われた「世界宗教と世界発展」という会議については、バハイ教が出しているニュースレター「ワン・カントリー」誌(今年1−3月号)から、その内容をうかがうことができる。

 ワン・カントリー誌からは、会議の目的の一つが、世界銀行によるインフラ計画の変更であったことが分かる。世界銀行のインフラ計画は現在、エコロジストからますます批判を受けている。彼らエコロジストは、インフラ整備ではなく、「環境限度内の発展」、つまり大量殺戮を推奨している。


 パーマーはランベス会議の準備を取り仕切った。彼は演説も行い、ワン・カントリー誌を読めば、次のような発言をしたとことが分かる。
「今回の会議では、現代史で初めて、経済の枠組みの中で、宗教の役割が公に認められました。それだけではありません。宗教は、世界銀行という世界で最も大きく、最も実務的な機関の一つと、パートナーシップを結ぶことになりました。これは、現在の国際世論の現れと見ることができます。つまり、経済は宗教を真剣に考慮しなければならず、その逆も言えるということです。」


 ウォルフェンソンも最終演説で次のように述べている。
「この会議で明らかになったことは、経済と宗教は一体化できるということです。つまり、実務と、精神・文化は一体になり得るのです。私はこの理由により、今回の会議は意義深いものだったと考えます。私たちは精神について話し合うことができたのです。」


 パーマーと共にランベス会議の準備に参加した人物として、世界銀行のジョン・R・ミッチェルがいる。彼も次のように述べた。
「この会議はある意味で、ウォルフェンソン氏が、宗教を文明社会の重要側面と見なしていることを反映しています。これまでも、世界銀行は断片的に宗教家と対話してきました。しかし、高位聖職者と公式に対話を行い、それを広めようとした試みは、今回が初めてです。」

 2月19日の会議終了時、参加者は11の項目について合意に達し、いくつかの機関を設立すること、少なくとも年一度の割合で会議を持つことを採択した。その話題としては、以下のものが挙げられた。

 ・共同体建設
 ・飢餓と食料確保
 ・環境限度
 ・宗教遺産を含めた文化財保護
 ・武力紛争後の再建
 ・教育と社会サービス普及

 ここで述べられたものを見れば、第二項を除けば、明らかに基本路線が浮かび上がってくる。これらは、WWFの主張をそっくり真似たものにすぎない。つまり、自然の支配者としての人間を否定し、精神・生活を改善する人間の技術を否定している点で、WWFの主張とそっくりなのである。


 ワン・カントリー誌には次のような言葉がある。
「最終項では、これからは宗教家が世界銀行の計画に影響を与えることが約束された。宗教家は、世界銀行が年毎に出している『世界発展レポート』の研究・議論に参加する予定であり、これは2000年の特別レポートから行われる。ちなみに2000年レポートの主要テーマは『貧困の理解』である。」

 イギリスのキリスト教・援助団体の一員、ウェンディ・タインデールは、今回の会議をカレー大司教に提案した人物である。彼は次のように述べている。
「現在までは、発展の唯一の基準は経済成長でした。しかし、これからの基準は、宗教が共同体・国民の幸福に、どれだけ影響を与えているかということになるでしょう。なぜなら、共同体・国民にとって、精神・文化における幸福は大きな要素だからです。それが、今回の会議では強く打ち出されました。」


 ワン・カントリー誌には、ラクス博士の次のような演説も掲載されている。
「30年前なら、経済発展を話し合う時、誰も環境に注意を払いませんでした。しかし、今日、ある計画を立てる時、環境への影響は大問題です。同じことは精神・文化にも言えるのではないでしょうか。つまり、現在、非経済面への影響も大問題であるということです。」

 世界銀行からの情報では、会議終了後も、ランベス会議に参加した宗教家と世界銀行・官僚との間で、98年4月、継続議論が行われた。ウォルフェンソンとカレー大司教との間に秘書室が置かれたことも伝えられている。


●ガイア信仰と限度内発展

 フィリップ殿下が世界の宗教家に伝えたかった環境議論の一つ、それはいわゆる「ガイア論」である。ガイア論とは、「母なる大地」というグノーシス信仰の現代版である。


 パーマーはガイア論について、かつて次のように書いている。
「地球が望むことは、地球が継続して存在することです。もしそのために人間が邪魔であるなら、地球は人間を取り除くでしょう。環境危機、及びガイア論から出てくる過激な考え方、それは『人間は実はそれほど重要ではない』という考え方です。これは、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教に大問題を突きつけるでしょう。」

 イギリスには「ガイア基金」という団体がある。
 このガイア基金のスポークスマンによれば、フィリップ殿下とチャールズ王子は共に、ガイア基金の支持者である。またジェームズ・ゴールドスミスも、最近死亡するまで、ガイア基金への大きな資金提供者だった。ジェームズの兄テディ・ゴールドスミスも、彼の雑誌「ザ・エコロジスト」でガイア論について何度も言及している。

 この雑誌の1993年号から引用してみよう。これは「ガイア:地球についての古代からの考え方」というタイトルで、先のパーマーの言葉よりも、さらに邪悪な内容が述べられている。
「地球にとって良いことが、人間道徳にとっても良いとは限らない。それは自然を見れば分かる。地球は生命の存在を許すが、それはあくまでバランスが取れる限りにおいてである。バランスが崩れた時、バランスを崩した生命体、及びその子孫に、飢餓・病気・災害・死が訪れる。これが、環境問題に対するガイア的考え方である。古代史や神話には、地球を害する者、及び地球の生命を傷つける者に対し、地球が復讐を遂げた話がよく出てくる。環境に犯罪を犯せば、環境から罰せられる。」


 ゴールドマン兄弟は長年、イギリス王室のジェノサイド政策に全面的に協力してきた。96年、テディ・ゴールドマンは、ガイアという異教信仰と「限度内発展」とをひどい形で組み合わせて、こう言う。
「私はIMF・世界銀行が出資しているインフラ計画について、三巻の本を書いたばかりです。私は、ダム計画は行ってはならないと結論づけました。なぜなら、ダムはエコ・システムを破壊し、堆積物処理という問題を引き起こすからです。」


 しかし、ダムの堆積物処理は全く容易なのである。
 バングラデシュ定期洪水によって死亡している何百万もの人々を救うために、ダム・運河を建設する計画について、彼にこの計画が実行されるべきかどうかを質問すると、答えは以下の通りであった。
「バングラデシュ定期洪水については、私も研究しました。そして、私の結論は、ダム建設ではなく、ヒマラヤ山脈の森林化の方が良いということでした。」

 彼は人間が何人死んでも一向に気にかけず、ダム堆積物など容易に処理できることにも気づかない。


 こうしたジェノサイド的発想が、IMF・世界銀行の発展モデルとなっている。
 特に、民間の投資銀行家だったウォルフェンソンが、95年に世界銀行総裁の地位に就いて以来、世界銀行はこのジェノサイド的発想を採用している。これは、自称“強いウィルス”フィリップ殿下の考え方でもある。

 ウォルフェンソンはランベス会議でもこう述べている。
「今回の会議は、世界銀行の政策に直接影響を与えるでしょう。それには疑いはありません。今回の成果を取り入れながら、私たちは政策・戦略を決定していきます。私たちは1万人の従業員を抱える世界銀行に、今回の成果を染み込ませていかねばなりません。」

 ウォルフェンソンは95年に世界銀行総裁に就任する直前、エリザベス女王に招待を受けている。一言で言えば、彼はランベス会議で、世界の人口問題を技術によって解決する道を否定し、その否定に宗教の理由づけをしたのである。


●悪の説法者:マーティン・パーマー

 フィリップ殿下が、いかにして彼の邪悪な考え方を世界の宗教・金融機関に吹き込んでいるか、それを理解するためには、宗教・環境問題における彼の指導者、マーティン・パーマーについて考えてみることが有効である。

 パーマーは「宗教・教育・文化・国際コンサルタント」(ICOREC:本部はイギリス・マンチェスター)の所長である。


 98年6月26日、パーマーは次のように述べている。
「ランベス会議以来、私たちは世界銀行とより密接に協力するため、ワシントンに事務所を構えました。」

 そして、ウォルフェンソンはロシアで、全く根拠のない援助約束を行った。なぜなら、IMF/世界銀行は現在、破産状態だからである。

 それについて、パーマーは言う。
「その問題は、世界銀行と東欧ギリシア正教教会との次の会議で話し合われる予定です。
 私とフィリップ殿下は、IMF/世界銀行の目的を『物質的発展から精神的発展』へと変えていこうと考えています。これこそ、『宗教・環境保全同盟(ARC)』の目的です。

 私たちは、世界銀行の計画基準を変更させようとしています。世界の宗教家と協力することで、私たちは物質的豊かさだけでなく、精神的価値観をも大切にしようとしています。これにより、人間であるとはどういうことか、そして発展とは何を意味するのかについて、人々の考え方も変わっていくでしょう。現在、ほとんどの教育、社会サービスを行っているのは教会です。

 ランベス会議は成功でした。現在の発展モデルはあまりに物質的すぎるという意見が、全体から出されました。これまで欠けていたのは、精神・文化へのアプローチでした。

 私はヨハネ・パウロ2世の経済観には同意していません。彼の経済観は言ってみれば、『アジアの虎』を衰退に導いた経済観と同じ『傲慢な』ものです。アジア諸国は、急激な発展を行う際、全体的に傲慢な姿勢を取っていました。

 当然、中国も同じかとおっしゃるかもしれません。中国も『火を弄んだプロメテウス』のように急激な発展計画を行い、傲慢な姿勢を取っているのかとおっしゃるかもしれません。

 もちろん、中国が計画している三つのダム計画は愚かな試みです。しかし、中国の国内には発展を抑える動き、つまり、道教という勢力が存在します。

 道教は、私とフィリップ殿下が設立したARCにも代表を送っています。中国における唯一の宗教勢力は道教です。彼らはこれまで、発展により価値観が崩壊することを目にし、古い価値観を復興・保護したいと考えています。それは経済・社会・政治・インフラ整備にわたって言えることです。

 現在、中国には2万人の道教の僧・尼が存在しています。たまに寺参りをする人も含めるなら、道教信者は1億5000万人から2億人に上ります。

 道教の人々は、ARCと協力して発展を図ろうとしています。その考え方は、中国の『聖なる山』は全く手をつけずに残そうというものです。」


●WWF、アッシジ会議、そしてARC

 86年9月22〜29日、イタリア・アッシジでWWF設立25周年会議が行われた。この会議を取り仕切ったのは、パーマーである。

 この会議は、特にルネッサンスの「人間のイメージ」、つまりレオナルド・ダビンチの考え方に焦点を当て、そうしたイメージは捨て去らねばならないと結論づけた会議であった。

 パーマーは当時、次のように述べている。
「自然を見る時、西洋的ではない別な見方が有益です。この見方に立てば、世界の見方も新しくなります。」


 アッシジ会議で、WWFは「宗教と環境保全に関するネットワーク」を設立した。この裏では、パーマーのマンチェスター事務所が動いていた。

 フィリップ殿下はこのネットワークを利用し、90年5月、ワシントンで次のような声明を出した。

「環境問題を考える時、いわゆる異教的考え方は自然保存に非常に現実的である。それは一神教の宗教、より知的で秘密のない宗教がよりも、遥かに現実的である。」


 パーマーの「宗教と環境保全に関するネットワーク」は、その後ARCに受け継がれた。
 ARCは、97年4月29日〜5月3日、ウィンザー城で開かれた「宗教と環境保全に関する世界サミット」で設立された。今回のバッキンガム会議・ランベス会議と同じく、この時も世界の九つの宗教から代表者が招集された。


 パーマーはことあるごとに、「WWFの目的は、進歩という考え方を崩壊させることである」と強調している。
「特に、ユダヤ・キリスト教文明世界では、進歩という考え方の弊害は深刻である。」 と、彼は言う。

 パーマーは1992年、『ハルマゲドンへのダンス』という本を書き、彼の主張を発展させている。

 彼によれば、人々にとっての現実とは「ストーリー」である。それはペルシアの「マジ」などに見られるストーリーである。マジは、「拝火教」ゾロアスター教のようなカルト信仰を生み出したことで悪名高い。パーマーは「ストーリー」という言葉で、神話によって伝えられる文化テーマを指している。

 パーマーは言う。
「私の任務は、精神面での考古学を行うことです。それは、人々の深層意識に眠っているもの、つまり隠されたストーリーを掘り出していく作業です。この深層意識の上に、人々は自分たちのモデルを構築していきます。それは『自分たちは誰で、これからどこへ行くのか』といったモデルです。

 私たちの時代には、一つの強い幻想があります。それは私たちが人生について、自分自身は『現実的である』とか『事実に基づいている』とか考えていることです。しかし、私たちは現実的でもなければ、事実に基づいてもいません。

 欧米社会では、『人間は進化の先端であり、生きる“理由”を持っている』という考え方が支配的です。そして、『欧米の生活様式、つまり征服・植民・開発こそ、まさに本当の生活様式であり、これまでもそうだった』と思いがちです。

 しかし、そうではありません。
 私たちが考えねばならないのは、ストーリー、つまり神話やメタファー(比喩)です。そうしたストーリーは、『人間の地球に対する影響は現在、あまりにもひどく、既に数え切れないほどの動物が絶滅し、現在も多くの動物が絶滅の危機に瀕している』ことを教えています。」

 パーマーは自称キリスト教徒であるが、キリスト教が人類史に果たした貢献については全く無視している。それどころか、彼はキリスト教に「人間中心主義」というレッテルを貼る。

 93年の『時代の到来:キリスト教の展開と新しい時代』という本の中で、パーマーは「人間中心主義という福音」を激しく非難している。彼は言う。
「キリスト教は人間を神格化している。人間の遺産・科学・産業も、あの最も傲慢な言葉『人間はあらゆるものの尺度である』という言葉の証明材料となる。」


 パーマーによれば、キリスト教の全体系、つまり神の子としてのキリスト、人類の救済者としてのキリスト、という体系もまた人間中心主義である。しかし、キリスト教からこのテーマを抜き取れば、キリスト教とて単なるグノーシス的異教となってしまう。そして、それこそまさにパーマーの目的なのである。

 特に、今回のランベス会議では、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の中にある人道主義を、まさにひっくり返そうという試みがなされた。その人道主義によって、ルネッサンス黄金時代が築かれたにもかかわらずである。


 パーマー神学では、創世記の「大地を満たし、静めよ」というテーマは、「自然に奉仕する人間」という関係に変わってしまう。

 パーマーの著作を読めば、彼の言う「人間の奉仕」とは、「自然元素への還元」であることが分かる。彼は言う。
「自然元素への還元はシャーマニズムであり、方法・信仰において、ある程度、異教的である。シャーマニズムは“癒し”の一形態である。」

 これは大部分、魔法・魔術に基づいており、今日では未開地域でしか見られないものである。


 パーマーは自称キリスト教徒でありながら、キリスト教を崩壊させようとしている。それだけではない。彼はキリスト教徒という立場を離れ、他の宗教・信仰形態を推奨している。

 彼が推奨している宗教は、彼の言葉によれば、「将来、人間の進歩を最も遅らせる宗教」である。それが道教(陰陽:自然の循環理論)であり、仏教、ヒンズー教の各派である。


 パーマーはこれらの宗教について「ガイア論と一致する」と称賛している。ちなみに、このガイア論を最初に提唱したのは、イギリスの偽科学者ジェームズ・ラブロックである。
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